阪神ドラフト1位佐藤輝明内野手(22)が、長いトンネルを抜け出せずにいる。5点ビハインドの9回2死二、三塁で代打で登場。フルカウントから右腕島内の151キロ直球にバットが空を切り、今季142個目の三振を喫した。これで自己ワーストをさらに更新する25打席連続ノーヒット。歓喜の広島ナインを目の前に、立ち尽くすしかなかった。

この日は7月12日DeNA戦(甲子園)以来、プロ4度目のスタメン落ち。9回は1死から糸原、大山が安打を放ち、7番小野寺に代打糸井が告げられた時点で、ようやくネクストバッタースサークルに現れた。今季99試合目でプロ初の欠場となる可能性もあった。

井上ヘッドコーチも「苦しみを今味わっている。そういう苦しみがあってこその成長しなきゃいけない部分。(悔しさを)持ってるとは思うんだけど、それに期待するしかない」と悩めるルーキーの奮起を待つしかない状況だ。不振の霧はなかなか晴れてくれない。

前日28日広島戦では、3度も得点圏に走者を置いて打席を迎えたが、いずれも凡退。8回にはプロで初めて代打を送られベンチに退いた。同日の試合前練習ではサンズから身ぶり手ぶりのアドバイス。この日も矢野監督から直接指導を受けるなど試行錯誤を続けている。悠長に復調を待っているわけではないが、すぐさま結果には結びつかなかった。

後半戦開幕カードのDeNA戦では3戦3発と好発進したものの、これで9試合連続本塁打なし。31日から約1カ月半ぶりに甲子園に帰り中日戦、そして9月3日からは優勝を争う巨人との対戦が待ち受ける。チームも佐藤輝も浮上するために、1日も早くきっかけをつかみたい。【中野椋】