あぁ今季初の4連敗…。矢野阪神が公式戦では48日ぶりとなる甲子園で大味な試合を演じてしまった。3回に一挙5失点の強烈パンチを食らったが、負けじと5回に5得点とやり返す。押せ押せムードかと思いきや終盤7回にあっけなく突き放された。蒸し暑さと相まって、虎党のフラストレーションが甲子園に充満した。

「マルテは選球眼もいいし、勝負強いというところでは今日もその力も見せてくれた。ジェリー(サンズ)とロハスというところがもちろん打って欲しいと思って使っているんだけど。ロハスもその前にしっかり守らんとね。あれはちょっと…」

試合後の矢野監督はため息交じりだった。虎の歴史で初めて外国人3選手をクリーンアップに並べた。さらに大山、ルーキー佐藤輝の2人を今季初めて同時にスタメンから外し、「7番右翼」には小野寺を据えた。今季屈指の攻撃型オーダーで臨んだが、目を覆いたくなるシーンが続いた。

3回だ。1死満塁で高橋周のライナー性の打球に左翼手ロハスが突進。スライディングキャッチを試みたが、手首付近に当てて落球(記録は2点二塁打)。5回には1死からビシエドのフラフラと上がった飛球に打球判断が遅れて追いつけず。ハッスルプレーが持ち味の助っ人だが、この日は完全に空回り。6回守備からベンチに下がった。

攻撃でも細かいミスがあった。3回に青柳がバント失敗。5-5の6回には無死一塁から小野寺が送りバントを試みるも失敗。勝ち越しの機運が一気に消えた。投手陣は今季ワーストとなる17安打を浴びた。この日は巨人がヤクルトに競り勝ったことで、阪神が2位に浮上。上位3球団がだんご状態だが、このまま黒星が積み重なればトップ集団から脱落することは明らか。引きずるわけにはいかない。【桝井聡】

▼阪神は8月を7勝9敗で終え、月間負け越しが決まった。開幕から6月まで勝ち越しが続いていたが、7月の5勝8敗に続き2カ月連続で負け越した。

▼阪神の1試合17被安打は、7月13日DeNA戦16被安打を超え今季最多。矢野監督の就任した19年以降では、19年4月13日中日戦17被安打と並びワーストとなった。

▼1日阪神○巨人●でも、阪神は勝率5割7分1厘、巨人は5割7分3厘となるため、阪神は2位のまま。このとき阪神は貯金14(56勝42敗3分け)、巨人は同13(51勝38敗12分け)となり、再び巨人は阪神に「マイナス0・5差」の首位となる。