先発したオリックスのエース山本由伸投手(23)が、6回107球2安打無失点でリーグ単独トップの13勝目をマークした。

「立ち上がりからピンチを迎えてしまっていましたし、あまりテンポのよくないピッチングになってしまっていた。なんとか粘り強く投げることが出来たのも、野手の方たちが得点を重ねてくれたおかげだと思います」

反省の言葉を並べるも、無失点の投球。山本は5月28日ヤクルト戦(京セラドーム大阪)の登板から自身負けなしの10連勝を記録。防御率1・54、奪三振154もリーグトップで「投手3冠」を独走する。

この日は山賊打線にファウルで粘られるシーンが目立つなど、球数を要した。2回の先頭打者、外崎には12球粘られて四球を許すも、最速は155キロを計測。要所を締め、6回までスコアボードに0を並べた。

打線もエースを援護した。復活した大砲の一撃が、のろしだった。2回1死から、T-岡田が右翼席へ先制11号ソロを放った。「少し詰まっていましたが、浮いてきたボールをしっかりと振り切ることができました」。初球の134キロカットボールを捉えた。

右太もも裏を痛めて離脱していた背番号55は、9日ロッテ戦(ほっともっと神戸)で1軍に復帰したばかり。ダイヤモンドをゆっくりと一周すると、一塁側ベンチ前で両手を大きく開く「Tポーズ」を披露してみせた。T-岡田は3回にも追加点となる適時打を放ち、存在感を示した。

これで貯金を10に戻した。この日はロッテが楽天にサヨナラ勝利し、首位再浮上はならず。残り34試合。コツコツと白星を重ねて、96年以来25年ぶりVへ突き進む。【真柴健】

▼山本が5月28日ヤクルト戦から10連勝。オリックスでシーズン10連勝以上は10年に13連勝の金子以来7人、9度目。山本はプロ5年目の23歳。23歳以下のシーズンに2桁連勝は、22歳の07年に10連勝した成瀬(ロッテ)以来で、オリックスでは58年に13連勝の秋本に並び最年少だ。山本は、白星のつかなかった6月25日西武戦を含めた連勝期間中の防御率が0・89。この間、相手にリードを許したのは、岸に先制弾を浴びた8月20日西武戦の3回表(3回裏に同点)しかない。また、山本は勝利、防御率、奪三振とトップ。オリックスでこの3部門がすべて1位ならば初めてになる。