ソフトバンクが9回に土壇場で追い付いた。3-4の9回2死二、三塁。日本ハムの抑えB・ロドリゲスから三森が起死回生の中前適時打。「つないだチャンスだったので、何としても追いつくんだという気持ちだけでした」。猛打賞の活躍で引き分けに持ち込み、貯金消滅の危機を救った。

勝てなかった試合とも言える。3-0の7回から継投へ。板東、渡辺雄、田中、古谷と1イニングに4投手をつぎ込んだが、一挙4点を失って逆転された。得意の日本ハム戦で43イニングぶりの失点。工藤監督は「彼らにとってはこういう経験が必ず生きてくる。打たれて悔しいと思ったことが、今は後ろで投げている選手たち(岩崎、森ら)のようになってくれると信じている」とかばったが、首位とは4・5ゲーム差に広がった。両リーグ最多の18度目の引き分けに「勝つのは難しいですね」と1勝の重みを痛感した。

9回は左肘炎症から復活した抑えの森が、復帰後2度目の登板で3人斬りと明るい材料もあった。これで札幌ドームでは昨年9月16日から12戦無敗。日本ハムには10勝3敗5分けで、残り7試合を残して負け越しもなくなった。好相性の北の大地で貯金を1つでも稼ぎたいところ。逆転優勝には引き分けではなく、もう勝っていくしかない。【只松憲】