NPB史上最年少となる通算100本塁打にあと2本と迫るヤクルト村上宗隆内野手(21)が、バットを振らずに貫禄を示した。

敵地での中日戦に定位置の「4番三塁」で先発出場。1回2死一塁、中日小笠原からストレートの四球を選びチャンスを拡大。四球数はリーグトップを独走する80個目となった。この日まで打率2割8分ながら、出塁率はDeNAオースティン、広島鈴木誠に次ぐ同3位の4割1分。長打率も同3位の6割2厘で、メジャーで強打者の指標として重視されるOPS(出塁率+長打率)は1・12。「1」を超えれば超一流とされる指標で、超高水準をマークしている。

最年少侍として参加した東京オリンピック(五輪)では、レギュラーとして金メダル獲得に大きく貢献。たくましさを増した姿に高津臣吾監督(52)も「打撃ももちろん、野球の考え方、守備、走ること、取り組む姿勢だったり。野球人として大事なものはすごく成長を感じます」と目を細める。この日も、先発でチーム最年長41歳の石川がピンチを迎えた際に、駆け寄って声をかけるなど、精神的な成長も感じさせた。

第4打席でも又吉からストレートの四球を選んだ村上に1発の雰囲気は十分。記録達成がいよいよ近づいてきた。【鈴木正章】

【関連記事】中日―ヤクルト詳細ライブスコア