新人一番乗りの10勝目はお預け…。日本ハム伊藤大海投手(24)が西武16回戦(メットライフドーム)で5回2失点と粘投も白星を逃した。毎回走者を背負う苦しい投球で、粘って要所を締めながら試合はつくったが、試合は引き分け。エースを目指すルーキー右腕は、自らの投球内容を責めた。

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試合後に伊藤は開口一番で自らを責めた。「これじゃあダメだなっていうのは、あります」。先発の責任投球回を何とかクリアし、リードを保って降板も投球内容は反省だらけだった。

伊藤 1発を浴びたくないと変化球が多くなって、結局、投げたいところで真っすぐがアジャストしきれないっていうのがあった。

1回2死無走者から森に二塁打を浴び、中村と対戦した場面。変化球2球で簡単に追い込んだが、勝負球が決まらない。3球目はスライダー、4球目は直球を見極められた。5球目の直球はファウルされ、6球目。低めのスライダーを拾われて中前適時打を許した。

伊藤 なんか、攻めきれないというか。逆にこっちがずっと、かわしてかわしてかわして5回までいって、それ以上できることがなかったっていう感じ。

勝負を決めきれず、徐々にかさんだ球数は5回までに104球。「スライダーが40%、真っすぐも40%くらい…。どっちかしかないっていう状況をつくってしまったのは、こっちだった。もったいない」と悔いが残る投球だった。

新たな引き出しも、この日ははまらなかった。プレートを踏む位置を握り拳1つ分、三塁側から中央へ変えて初回は臨んだ。14日のブルペン投球で手応えがあった進化への変化も、西武先発の本田が踏み出して掘れていた部分と少しかぶってしまってしっくり来ず。2回以降は前回まで同じ三塁側ギリギリへ戻したが、勝負球が決まらなかったのも含めて「今日は後手後手に回ってしまった」と、反省が多い登板となった。

新人一番乗りの10勝目の権利を持って降板だったが、試合は引き分けに終わった。「試合を支配しきれなかった。自分に責任がある試合かなと思います」。チームを勝たせられなかった責任を潔く背負った。次回登板で借りは返す。【木下大輔】

▽日本ハム栗山監督(リードを守りきれずに引き分けて伊藤の10勝目はお預け)「勝たせてあげたかった。すみません」