ソフトバンクが早仕掛けのラストスパートで、まずはCS圏内の3位浮上を狙う。18日からは仙台で、3ゲーム差で追う3位楽天との3連戦を迎える。17日、楽天生命パークの室内練習場で投手練習を見守った工藤公康監督(58)は「首位とゲーム差が開いたところもあるので、前倒ししてでも、ある程度スパートをかけていかないといけないかなと思うところはあります」と、気合を入れた。

逆襲への態勢は整った。今月7日に抑えの森が1軍復帰。岩崎は10日に1軍昇格し、モイネロも15日に1軍登録され、前日16日のロッテ戦で復帰登板。8回の1イニングを完全に抑えた。「勝利の方程式」の3人がそろうのは4月末以来。今季は最長4連勝が4度あり、そのうち3度が3人が1軍にいた4月までだった。3人が全員登板した試合も3試合で、いずれも4連勝中のことだ。

工藤監督は「うちで言えば先行逃げ切り。7回以降勝っていれば、3人で勝てるという戦いができてくることが、連勝だったりというところにつながってくると思う。そういう試合をどれだけできるかということが大事」と力説。昨年リーグ制覇、4年連続日本一のチームが得意とする勝ち方をいかに作れるかが、上位チームを追う勢いにつながると語った。

まずは楽天をたたき、浮上への足がかりをつかむ。指揮官は「上位にいるチームとは、勝っていくしかない。3連戦の中でしっかり勝ち越す、うまくいけば3つ勝てるようにやっていかなければならない」。天候などの状況次第だが、エースの千賀を3週連続となる中5日で20日の3戦目に投入するプランもある。残り29試合。昨年はラスト29試合で8割近い勝率を誇った。王者が、どこまで巻き返せるか。【山本大地】