今季、甲子園では公式戦最後となる「伝統の一戦」で阪神が巨人に大敗した。

相手先発は菅野。お互い負けられない試合で、初回1死三塁で巨人が前進守備を敷く中、糸原が中前適時打で先制した。だが、2回に先発ガンケルが大炎上。1死二、三塁、8番大城の場面で阪神も前進守備を敷いた。矢野監督は「(打順が)次も投手だし(ガンケルは)ゴロを打たす投手なんで」と作戦の意図を説明。大城を狙い通り高いバウンドのゴロに打ち取ったが、二塁手糸原の横を抜けて逆転の2点適時打となった。

続く菅野の投手前のバントをガンケルが二塁へ送球したが、ベースカバーの遊撃手中野が捕球できず失策。12球団ワーストの75個目の失策でピンチを広げると、吉川に3ラン、坂本に2ランと打者12人攻撃を食らった。ガンケルは自己最短の2回、同最多の7失点でKOされ3敗目。矢野監督は「あれだけ(バットを)振られているような感じがあったので、コースももちろん甘いだろうし球質もよくなかったんだろう」と振り返った。ローテーション順なら24日からの巨人3連戦に登板するが「ちょっと、今から考える」と回避も含めて熟考することになった。

打線は今季初対戦の菅野に7回で1得点と抑えられた。菅野もローテ通りなら週末カードでの再戦が待っている。矢野監督は「状態的には昨年の方が見ていてよかったし、絶好調という感じには見えなかった」と、昨年1勝4敗と苦手とした姿ではないと見ている。

この日も5番に糸井を入れるなど組み替えた。今季初めて7番に入ったサンズは4打数無安打で4試合無安打が続く。「4番以降の打者が、ちょっと状態がみんな上がってないんで。何とかやりくりしたいんやけど。考えます」と苦悩は続く。2位ヤクルトが勝って7日以来の1・5ゲーム差に縮まった。21日からは中日、巨人と敵地で6連戦。優勝争いは激しさを増している。【石橋隆雄】

▼阪神は最短21日に首位から陥落する。21日阪神●なら、ヤクルトが20、21日に○○または○△。21日阪神△ならヤクルトが20、21日に○○のとき。なお阪神●でヤクルト○△、阪神△でヤクルト○○のとき、ヤクルトは阪神にマイナス0・5差の首位となる。