日本ハム上沢直之投手(27)が、ソフトバンク21回戦(ペイペイドーム)で、3年ぶり自身2度目の2桁勝利を手にした。威力ある直球に多彩な変化球を交えて、3者連続を含む11奪三振。8回1死から1発を浴びたものの、8回3安打1失点と文句なしの内容で、勝ち星でチーム単独トップに立った。チームは2連勝。ソフトバンク相手には2試合連続完封勝ちで、3連勝となった。

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しびれるような投手戦で、まったく隙のない118球を見せた。日本ハム上沢が前回16日西武戦(メットライフドーム)に続き、2戦連続で快投を見せた。8回を、散発3安打の1失点。19年の左膝骨折の大ケガを乗り越え、3年ぶりに目標としていた2桁勝利に到達し「ケガをしてから、辛いこともあったし、こうやって勝つことが出来たのは、周りの家族だったり、治療で支えてくれた裏方さんのおかげ」。支えてくれた人たちへ、感謝の言葉があふれた。

4回までは無安打投球。8回に甲斐に1発を浴びたものの、それ以外に許した2安打は、いずれも内野安打だった。ここ数試合「しっかり両指でボールを押している感じがする」と、直球には自信があった。イニングを重ねても、その威力は落ちず6回は3者連続三振。7回2死一、二塁のピンチでは牧原大を、この日、球場表示最速の151キロで見逃し三振に仕留め「変化球が来そうなタイミングで、あえて真っすぐを腕を振って投げた」と、してやったり。相手の裏をかき「打者の意図をくみ取ってボールを選べた」と、うなずいた。

代名詞の高速フォークだけじゃない。今や、すべての球種が決め球になる。3年前と比べ、持ち球の数も、投球の幅も、打者との駆け引きも、大きく進化した。チームメートのB・ロドリゲスに教わったナックルカーブ、金子に教わったチェンジアップ…。「ヒロミ(伊藤)のスライダーもまねしようとしたけど、無理でした。あれは無理。あんなに曲がらない」と苦笑いも、本人いわく「パクリ投法」で、勝ち星を重ねてきた。

栗山監督は「『さすが』という字を、漢字と平仮名と片仮名で、たくさん書いておいて下さい」と、ご満悦。7試合連続クオリティースタート(QS)達成と、さすが、エースの仕事ぶりだった。【中島宙恵】

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