首位ヤクルトは午後5時30分試合開始のDeNA戦(神宮)で、奥川が先発マウンドに上がる。今季は14試合に先発し7勝3敗、防御率3・36。交流戦明けは5勝1敗と抜群で、今回で6戦連続のカード頭での先発となる。

高卒2年目の奥川だが、1年目は2イニングの登板のみで、新人王の資格がある。残りの登板次第では、有力候補の1人となる。最近10年で先発投手がセ・リーグの新人王を獲得したのは6人いる。

11年沢村(巨人)=11勝11敗、防御率2・03

12年野村(広島)=9勝11敗、防御率1・98

13年小川(ヤクルト)=16勝4敗、防御率2・93

14年大瀬良(広島)=10勝8敗、防御率4・05

18年東(DeNA)=11勝5敗、防御率2・45

20年森下(広島)=10勝3敗、防御率1・91

野村以外は2桁勝利。その野村にしても9勝で、防御率は1点台。奥川にとっても2桁勝利が1つのハードルとなりそうだ。

ただ、今年のセ新人王争い相当にレベルが高い。

阪神佐藤輝=23本塁打は球団新人記録。前半戦は「新人王当確」を思わせる活躍だったが、8月21日を最後に50打席無安打と急失速。巻き返しがカギに。

広島栗林=42試合で1敗26セーブ。セーブ数は球団新人記録だ。侍ジャパンの守護神として金メダル獲得に貢献した印象度も追い風。

DeNA牧=8月にNPB初の新人サイクル安打を達成。球団新人安打記録にも王手をかける。打率2割8分6厘、19本塁打、62打点は過去に新人王を獲得した大卒野手と比べても引けを取らない。

阪神伊藤将=開幕からローテを守り7勝7敗。防御率2・80。貴重な左の先発として首位争いを繰り広げるチームに貢献する。

阪神中野=遊撃のレギュラーとして打率2割7分7厘をマーク。24盗塁は両リーグ首位タイ。8月下旬からは2番に定着し、俊足と攻守で貢献度は数字以上。

例年なら「当確級」の選手も複数いるだけに、個人はもちろん、チームの成績も目に見えない要素となる可能性もある。ヤクルトは現在、阪神とゲーム差なしの首位。奥川にとっても、チームにとっても大事な登板となりそうだ。