1部から降格した東洋大は、開幕戦を落とした。プロ志望届を提出した今秋ドラフト候補の木村翔大内野手(4年=霞ケ浦)は、4打数無安打とNPB7球団のスカウトの前で不本意な結果だった。

7月には、埼玉県内の寮で新型コロナウイルスのクラスターが発生し、7月20日から1カ月間は寮も閉鎖。グラウンドや室内練習場も使えず、本格的な練習再開は8月27日からだった。実戦形式の練習は積んでいたものの、オープン戦1試合のみでリーグ戦開幕を迎え、コンディション調整が難しい状況だった。それでも木村は「大変なのは、どの大学も一緒。どんな状況でも、悔しい。言い訳をしないで、やりたい。今すぐに帰って練習したい気持ちです」と話した。杉本泰彦監督(62)は「致し方ない。(プロという)目的があって、表現しないといけない木村は、大変だと思う。(練習を)やりこめていないのはかわいそうですが、仕方がない」と思いやった。

右投げ右打ちの木村は、守備に定評がある。昨秋は打撃面で初の打率3割超えをマークし、遊撃で東都ベストナインに輝いた。10月11日のドラフト会議に向けて「守備を評価してもらっていると思うけど、(この日は)持ち味も出せなかった。工夫が必要だと思う」と反省しきりだった。