オリックスT-岡田外野手(33)が1点を追う4回2死一、三塁で、ロッテ石川から右翼席へ逆転14号3ランを放った。NPB史上111人目の通算200号に到達。

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打球を見ずに、一塁手のオリックスT-岡田は膝から崩れ落ちた。14年10月2日の福岡は、絶対に忘れられない。ソフトバンクと首位争いを繰り広げ、勝てば優勝のチャンスが近づく一戦。延長10回、7番手比嘉が松田に左中間を破られると、力が入らなかった。

ぼうぜんと三塁側ベンチに引き揚げたが、重い腰が上がらない。同学年の安達と顔をバスタオルで覆い、悔しさをかみ殺した。

あれから7年。ベテランの域に入った。「アカンかったら、また練習するしかない」と毎試合、若手に交じり早出練習で汗を流す。「優勝できるように、体がボロボロになるまでやっていきたい。こんなもんじゃない! と自分で思う」。

ときを経て、心に余裕も生まれてきた。「あのとき(14年)は正直、自分のことで精いっぱい。疲労感も半端なかった。精神的にも体力的にもバテバテ。僕個人的には、14年より今年の方が…」。苦い記憶を、歓喜に塗り替える。【オリックス担当 真柴健】