阪神は5日、荒木郁也内野手(33)、伊藤和雄投手(31)、石井将希投手(26)、育成の鈴木翔太投手(26)、同じく育成の藤谷洸介内野手(25)に対して、来季の契約を結ばないことを伝えたと発表した。今後については荒木、伊藤和、藤谷は未定で、鈴木、石井将は現役続行を希望している。

荒木は11年目の今季、2軍で52試合に出場し、打率3割9厘と奮闘したが、若手の台頭もあり1軍昇格はなかった。10年ドラフト5位で明大から阪神に入団。俊足と内外野守れるユーティリティープレーヤーとして、代走守備固め要員などで存在感を発揮してきた。1軍では17年の49試合の出場が最多。通算成績は186試合、打率1割8分2厘、0本塁打、2打点だった。荒木は「1軍に呼ばれることがなかったので、自分の中で当然覚悟はしていたので、驚きはしていないです。実績は残せなかったですけど、今、他球団でプレーされている鳥谷さんや福留さんと一緒に野球をすることができたことは自分の中ですごく良い時間でしたし、たくさんの人から野球を勉強させてもらったなという思いはあります」とコメント。今後については「今はまずお世話になった人に連絡をしている段階で、この先のことはそれが終わった段階で考えようと思っています」と話した。

伊藤和は11年、ドラフト4位で東京国際大から阪神入団。20年には1軍で自己最多の15試合登板。同年6月27日にはプロ初勝利を挙げた。通算50試合に登板し、1勝3敗、防御率4・71だった。今後について「いろいろな人に相談して決めたいと思っていますけど、自分の中ではひと区切をつけて違う道に進もうとは考えているんですけど、そこは相談しながら決めたいと思います」と話した。

17年育成選手ドラフト1位で上武大から阪神に入団した石井将は、20年9月30日に支配下選手登録を勝ちとり、背番号93を身にまとった。同年10月7日広島戦(マツダスタジアム)ではプロ初登板を果たし、1回1失点だった。1軍出場はその1試合のみに終わった。「体は全然元気なので。今はまだ挑戦していきたいという気持ちです」と今後への意気込みを口にした。

阪神ではすでに、岩田稔投手(37)、中田賢一投手(39)、桑原謙太朗投手(35)、俊介外野手(34)が、今季限りでの現役引退を発表している。

 

▽鈴木 キャンプから1軍に呼んでいただき、大きなチャンスをいただいたのに、自分がけがをしてしまってチャンスをつぶしてしまったというのは本当に悔しかったです。ただ、あらためてこうしてチャンスをいただいた阪神タイガースには感謝の気持ちでいっぱいです。去年戦力外になった時もそうでしたが、自分の中では正直まだやれるという思いです。やれることをやりながら、いい話があればいいなと思って、野球は続けていきたいと思っています。

▽藤谷 野手もやらせてもらえて感謝しています。矢野さんに対しても、野手に挑戦するチャンスをいただいた球団に対しても、凄い感謝しています。(今後は)まだ決めていないです。家族とも相談して、決めていきたいと思います。

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