西武松本航投手がプロ初完封で、長いトンネルから抜け出した。初回2死二、三塁のピンチから始まった立ち上がり。デスパイネを6球連続直球で中飛に打ち取った。「あまり強いボールがいけてなかったんですけど、何とか気持ちでしっかり抑えるという気持ちで投げました」。そこから11人連続凡打で3者凡退が5イニング。2安打10奪三振でシャットアウトした。

白星から見放され続け、6月28日以来101日ぶりの勝利だった。キャリアハイの8勝目を目の前に、10戦勝ちなしで足踏み。「まずはそこを目標にしていたので、まず超えられてよかった」。その間、暗中模索を繰り返す中で、辻監督から高めの直球を使えと助言を受けた。未知なる9回、2死一塁。フルカウントから、新星リチャードのバットを146キロ高めの直球で誘い出し、10個目の三振を奪った。

前夜、6位日本ハムとゲーム差なしまで追い込まれていたチームを救った。対ソフトバンク戦では3年ぶりの勝ち越しを決めた。プロ3年目右腕は、お立ち台で「まずは勝ちがついてホッとしています」と、ようやくひと息ついた。【栗田成芳】