いよいよ11日にドラフト会議が行われる。指名候補選手の運命のときが迫る中、ソフトバンクは9日、ドラフト1位にノースアジア大明桜の最速157キロ右腕、風間球打投手(3年)の指名を公表した。

この日のオリックス戦前にオンライン取材に対応した王貞治球団会長(81)が「大変迷いましたけど、秋田・明桜高校の風間くんですね。すばらしい素質を持った剛速球投手。必ずやうちの戦力となり、将来的にはエースになってくれるんじゃないかと思って、1位で指名することを決定しました」と明言した。

ソフトバンクは野手の世代交代が大きな課題となっており、昨年の佐藤輝をはじめ、ここ4年連続で1回目の1位入札は野手が続いていた。投手は16年の田中以来で、高校生投手は15年の高橋純以来となる。ドラフト抽選では5球団競合の16年田中を引き当てて以来、外れ1位も含めて7連敗中。まだ他球団が公言していない風間指名をいち早く明言することで、けん制の狙いもあるとみられる。

エース千賀はメジャー志向が強く、23年にも海外FA権を取得する可能性がある。ここ数年、即戦力の先発型投手を1位指名していないこともあり、先発ローテーションの若返りも進んでいない。王会長は風間について「まだまだ体が完全に成長してませんので、ちょっと時間をかけながら、しっかり土台作りからしていきたいと思っております」と話し、即戦力としてではなく、時間をかけてでも未来のエースに育て上げるプランを明かした。【山本大地】