ソフトバンクのエース千賀滉大投手(28)がチームの連敗を8で止めた。8回1失点11奪三振で8勝目。引き分け以下なら優勝が完全消滅するという崖っぷちで、チームを踏みとどまらせた。

先週と同じ、オリックス竹安とのマッチアップ。前回は中4日での登板で6回3失点で敗れていた。チームの窮地で同じ負けは繰り返せないと奮起した。初回に1点を失ったものの、2回以降は走者を出しながらも粘り、ギアを上げた5、6、7回の3イニングは無安打で7三振を奪った。

8回は1死満塁のピンチを背負ったが「最後に出し切ろうと思って。余力が残っている感じがあった」。4番杉本を三ゴロに打ち取ると、5番のT-岡田にはこの日最速の158キロで空振り三振。エースの意地で追加点を許さなかった。

ただ千賀自身には後味の悪さも残る白星だった。8回1死一、二塁で紅林の左手首に死球を当てた。「若手でショートを守れる人はなかなかいない。(オリックスは)優勝争いしていますし、余計に思うところはあります。当てちゃった時点で何もうれしくないです」。試合後は申し訳なさそうに暗い表情を浮かべた。

シーズンは残り10試合。3位楽天は敗れ、CS進出圏までは5・5差に縮まった。千賀は「最後までホークスらしい試合をしたいし、投げる試合は1試合1試合丁寧に投げていきたい」。可能性がある限り、腕を振る。【山本大地】