主砲を救え！ヤクルトが一枚岩となって2位阪神に逆転勝ちし、マジックを9に減らした。

高津臣吾監督（52）は「本当に粘り強く戦ってくれた結果。精神論じゃないですけど強さを感じた」とうなずいた。

村上が苦しんだ。4回、2点差を追いつかれ、1死満塁のピンチ。大山の打球は三塁村上の両足の間を抜けた。2失点。痛恨の失策で勝ち越しを許した主砲は表情をゆがめた。さらに2死一、二塁。小野寺が放った三遊間深くへの打球を遊撃元山が捕球し、三塁へ。送球がそれ、村上はタッチアウトを狙ったが、間に合わず内野安打とした。足を伸ばせばフォースアウトになり得た場面。このプレーからの追加点は与えなかったがピンチを拡大させてしまった。打撃では5打席無安打2三振2死球。攻守で振るわない1日だった。

そんな時は全員でカバーする。2点を追う5回は塩見の13号ソロとオスナの中犠飛で追いついた。勝ち越した6回もつなぎの攻撃。先頭の元山が左前打で出塁し、代打嶋が初球犠打に成功。続く塩見が中越え適時二塁打を決めた。塩見は「嶋さんが一発でバントを決めてくれて、いい流れで打席に入れた」。1死一、二塁とし、山田も適時打を放ち「楽になった。塩見に感謝です」。塩見も山田も、仲間への思いが真っ先に出た。打“線”でつかんだ1勝。試合終了が決まった瞬間、村上はホッとしたような表情を見せた。【湯本勝大】