7季ぶりのリーグ優勝を狙う仙台大が、東北学院大との「全勝対決」に1-0で競り勝ち、開幕から無傷の5連勝を飾った。先発したサイド右腕、川和田悠太(2年=八千代松陰)が、リーグ戦初完封勝ち。121球の力投で3安打無失点。高校2年時の挫折を乗り越え、現在の投球フォームを手にした。

横手投げ右腕・川和田が虎の子の1点を守り抜いた。1-0の9回2死。最後の打者をサイドスロー特有のシュート回転する直球で右打者の内角をえぐった。結果は遊ゴロ。リーグ戦初完封を飾り、少し表情を崩した。「リラックスすることを意識して自分の投球ができた。気持ち良かったです」と気分は爽快だった。

苦手意識を拭い去った。今春リーグ戦でも東北学院大戦に先発。4回2/3を7安打3失点KOで苦杯をなめた。「今日も嫌なイメージがありました」。だが、そんな不安は杞憂(きゆう)に終わった。この日の最速140キロの直球に多彩な変化球を織り交ぜ、5回以降は無安打投球。バックも再三の好守でもり立て、得点圏に走者を置いたのは2度のみだった。「全球種が決め球だと思っているし、全球種で打ち取ることができる」と胸を張った。

挫折を乗り越え、活路を見いだした。高校2年夏。上手投げに限界を感じ、今の投球フォームにたどり着いた。「上から投げていたけど打たれ過ぎて野球をやめようとも思った。やめるくらいなら最後にサイドで挑戦してみよう」と転機を明かした。今では、最速144キロの直球を武器に打者心理を読み取り、1球1球を投げ込む。「これまでの経験を生かしながら、打者を振らせる投球を心がけている」と言う。

ここまで第3節を戦い、すでに3勝をマークしている。「チームの勝利のために次回登板に向け、しっかり準備していく」と気持ちを引き締めた。17年秋以来のリーグ制覇へ、マウンド上で右腕を振り続ける。【佐藤究】