日本ハムは、育成4人を含む大量13人を指名した。65年の第5回ドラフトに並ぶ球団最多指名となった。球団は例年、その場しのぎの補強ポイントに重きを置くのではなく、中長期的な視点に立って指名選手を決めている。今年は高校生が8人。潜在能力を高く評価した選手が多かった。北海道北広島市に建設中の新球場の開場を23年に控え、新時代を支えるヒーローの育成に力を注ぐ。

    ◇    ◇    ◇

喜びをかみしめた。日本ハムから2位指名された直後、千葉学芸・有薗直輝内野手は集まった野球部員らの大きな拍手に包まれながら、隣に座る母梨奈さん(44)と握手を交わした。「2位で取ってくれるとは驚きました。びっくりしましたけど、素直にほっとしています」と笑顔をみせた。

最大の魅力は長打力だ。185センチ、97キロ。右投げ右打ちの大型スラッガーは高校通算70本塁打を放っており、三塁の守備も器用にこなす。日本ハムの印象に「若い選手が活躍している。チームの中心として活躍しているので、自分もそういう選手に」と目標の選手に野村佑希を挙げた。

北海道には幼少期に家族旅行で訪れたことがある。「寒いのとご飯がおいしいというイメージがある。海鮮系とか、みそラーメンが食べたい」と話した。

千葉学芸から初のドラフト指名選手。新たな歴史に高倉伸介監督(46)は「非常に光栄。ファンを喜ばす選手になってほしい」と期待した。

育ててくれた両親に最高の恩返しになった。中国に単身赴任中の父順一さん(50)にも吉報を届けた。見守った母は「ドキドキしていました。指名されてほっとしています」と目を潤ませた。有薗は「1日でも早く1軍に上がれるように。球界を代表するようなバッターになりたい」と目標を描いた。【山崎純一】