「サトテル先輩」にリベンジ! 「プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD」が11日、東京都内で行われ、広島は「外れ外れ1位」で関学大・黒原拓未投手(4年=智弁和歌山)を指名した。

最速151キロを誇る即戦力左腕は早速、大学時代に痛打された阪神佐藤輝明内野手(22)との再戦を熱望。佐々岡真司監督(54)からは1年目の先発ローテ入りを期待された。

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黒原は即答した。

カープから1位指名を受けた直後の晴れ舞台。対戦したい選手を問われると、「阪神タイガースの佐藤さんです」と力を込めた。

「大学から何度も対戦して、打たれた記憶しかない。いつか同じ舞台で対戦できたら。自信のある、強みだと思うボールを思い切り投げて勝負していきたい」

マスク姿でも両目の輝きは隠しきれなかった。

近大の主砲だった1学年上の佐藤輝とは関西学生リーグで対戦を繰り返した。1年秋は右越え弾、3年秋はバックスクリーン弾を浴びている。

「テレビとかで見ていた時は応援するではないですけど、打ってほしいなという思いはありました」

なじみ深い先輩ではあるが、グラウンドで相まみえるとなれば話は別だ。

関学大の本荘雅章監督から「(2被弾は)最初がカーブ系で次がストレート。ぜひ、その2つを磨いて空振りを取ってほしい」とエールを送られ、りりしい表情に気合をにじませた。

実は1度も広島に降り立ったことがない。イメージについても「広島焼きですかね…」と初々しく照れ笑い。ただ、カープは縁深いチームに違いない。

18年ドラフト3位で今季ブレークした林、20年ドラフト4位の小林は智弁和歌山の後輩。「Cマーク」と赤白基調のユニホームは高校時代から着慣れている。

最速151キロの直球にカットボール、スライダー、チェンジアップ、ツーシーム、スプリットと変化球も多彩。「当然ながらローテにも入ってこれる」と佐々岡監督の期待値は高い。

大瀬良、森下、栗林らドラ1投手列伝に続けるか。「球界を代表するような左腕と言われるようになっていけたら」。身長173センチ、71キロ。プロでは小柄な体全身からギラつく野望が、頼もしい。【佐井陽介】

▽広島白武スカウト部長 即戦力の投手を3人とれた。大砲もとれた。捕手もとれた。バラエティーに富んで、補強ができたと思う。

▽広島佐々岡監督 (抽選で)2人を外しても、評価が高かった2人を取れた。大砲2人を取れたのも大きい。(即戦力5人指名で)競争意識が高まる。同じ年代、ポジションの選手は負けられないと思っているだろう。(背番号で末広がりの)88点にしておこう。

▽広島松田球団オーナー 即戦力の投手3人に、右の野手2人。それに高校生の素材。補強ポイントは押さえられたと思う。

▽広島ドラフト1位黒原の父和男さん みんなに愛される投手になってほしい。勝利に少しでも役立てる投手になってもらえたら。

▽広島ドラフト1位黒原の母千晶さん 大学1年時は結果を出せずに、関学スポーツの小さいところに泣いているところが載っていて…。あれを見た時に大丈夫かなと思ったんですけど、頑張ってきて良かった。