ソフトバンクが今季2度目のサヨナラ負けを喫し、3位楽天とのゲーム差は6に広がった。同点の9回に守護神森が2安打2四球と乱れて2敗目。楽天の歓喜のウオーターシャワーを見せつけられた。そんな敗戦にも工藤監督はファイティングポーズを続けた。

「試合をやる限りはファンの方が球場に来てくれるので、僕らは全力でやらないといけない。それが最低限の義務。できない人は試合に出なくてもいいと思いますので、最後までしっかり戦っていきたい」

ただ残り8試合で6差。数字上の可能性を残すものの逆転でのCS進出は絶望的となった。

敵地の勢いにのまれた。1-0の8回。7回0封のマルティネスから継投へ。しかし、2番手嘉弥真、3番手板東が計2四球と失策も絡み、無安打で同点を許した。工藤監督は「四球では何も生まれるものはない」と厳しく指摘した。最終回。球場のボルテージが最高潮に高まる中、最後は1死満塁から岡島に前進守備の間を抜かれ右前に運ばれ、森は空を見上げた。

前日12日にリーグ連覇の可能性が消滅。逆転CSへかじを取り直して挑んだ2連戦の初戦を落とした。試合当日に移動する「移動ゲーム」は今季12試合で、5月28日に勝っただけと、苦しい場面で踏ん張れない。冷たい夜風の吹く杜(もり)の都で、工藤監督は「明日(14日)勝てばまた変わる」と懸命に前を向いた。【只松憲】

▽ソフトバンク甲斐(7回、先制の中前適時打)「何とか先制点をという気持ちだけでした。みんなでつないだチャンスを生かすことが出来て良かった」