横浜桐蔭大が延長11回タイブレークを制し、3連覇に王手をかけた。

「勝つ」強い気持ちが投球に乗りうつった。巨人から育成ドラフト6位で指名された菊地大稀投手(4年=佐渡)が先発。「ヨシ!」。1球ごとに気迫のこもった投球が続いた。「今日は自分の投球ができなくてチームに迷惑をかけてしまいました。でも、気持ちだけはノーヒットノーランをするくらいの気持ちで投げました」。変化球の制球が思うように定まらず、早めに投手有利のカウントを作り、力強い真っすぐで打ち取った。「体が少し突っ込んでいたので、そこさえ修正すれば大丈夫」と、打たれても焦ることなく、延長11回を7安打5三振6失点で投げきった。

ドラフト指名後は、地元・佐渡からもたくさんのお祝いのメッセージが届いた。「両親に、親戚、知り合いと、みんなから『おめでとう』と言われて、実感がわきました。早く支配下になれるように頑張りたい」と笑顔を見せた。しかし、まだリーグ戦真っただ中。大学野球、勝負のときが待っている。菊地は「関東地区大学野球選手権大会出場に向け、勝つことを意識して、貪欲になっていきたい」と話すと、笑顔が一転、表情が引き締まり、エースの自覚を見せた。

桐蔭横浜大は、この日首位タイの神奈川大が負け、明日の関東学院大戦に勝てば優勝。両チームともに2勝とすれば、優勝決定戦が行われる。