残り3戦3連勝締めはならなかった。オリックスが痛恨の逆転負けで、試合のなかったロッテの優勝マジックは5となった。「もう何を言ったところで2試合しかないので、全力でやります」。中嶋聡監督(52)はもどかしさを振り切り、本拠地最終戦となる21日西武戦、レギュラーシーズン最後となる25日楽天戦(楽天生命パーク)の連勝に目を向けた。

1点を追った5回2死一塁で、伏見が楽天則本昂から逆転の4号2ラン。「福也が頑張って投げていましたし、相手もいい投手なので、ワンチャンスしかないと思って思い切って打ちました」。前半を1失点で粘った山崎福に報いる、女房役の一撃だった。

3回途中5失点降板した前回13日ロッテ戦の名誉挽回の思いも込め、先発左腕は最初から飛ばした。四死球絡みで招いた6回2死満塁は、救援した吉田凌が鈴木大を空振り三振。だが7回、3番手の富山がつかまった。2死から山崎剛に逆転2点打を浴び、なおも2死一塁で中堅・福田が岡島の中前打にグラブを合わせ損ない、4失点目。4番手比嘉も浅村に適時二塁打を許した。

それでも明るい材料はある。家族の不幸で帰国していたジョーンズが9月15日楽天戦以来の先発復帰で安打も放った。左手首骨折で今季中のデビューが危ぶまれていた新外国人ラベロも、試合前練習に参加。最終盤で戦力が整いつつある。

ロッテの勝敗次第だが、最短優勝は山本が登板予定の25日。エースで決める、劇的なフィナーレを信じて勝つだけだ。【堀まどか】

◆パ・リーグ順位決定方法 複数球団が同率で並んだ場合、当該球団同士の対戦で勝ち越した方が上位となる。勝利数が同じ場合は、交流戦を除いたパのリーグ戦のみの勝率が高い球団が上位となる。今季オリックス-ロッテは10勝10敗5分けで全くの五分。リーグ戦のみの成績はロッテ57勝44敗18分けで5割6分4厘、オリックス56勝50敗17分けで5割2分8厘。仮に両球団が全く同じ成績で終えた場合には、ロッテが優勝となる。

▽オリックス山崎福(6回2死満塁で吉田凌の救援をあおぐも3安打1失点の力投)「前回登板(13日ロッテ戦で3回途中5失点)の内容もあったので、立ち上がりから変わったところを見せたかったですし、結果的に1点で抑えられたのは良かった。最後は悔しさが残りますが、凌に助けてもらって感謝しかありません」