中日からドラフト2位で指名を受けた駒大・鵜飼航丞(こうすけ)外野手(4年=中京大中京)が「ドラフト指名対決」を制した。初回2死二塁、巨人ドラフト3位の日大・赤星優志投手(4年=日大鶴ケ丘)から、リーグ単独トップに立つ今季4本目の先制2ラン本塁打を放った。駒大は鵜飼の1発で試合の主導権を握り、勝利につなげた。

「負けたくない」。鵜飼は闘志を燃やした。マウンドの赤星は、同じセ・リーグに指名され、これからもライバルになる。負けるわけにはいかない。「変化球を張って、一発で仕留めようと思いました」。狙い通りの外角低めのカットボールを、体勢を崩しながらもしぶとくすくい上げると、ライナー性の打球はぐんぐんと伸び、レフトスタンドへ。先制の左越え2ランとなり、悠々とダイヤモンドを1周した。「うまく体が反応して芯を食った。入ってよかったです」。初対決を制し、笑顔を見せた。

早くも和製大砲誕生の雰囲気が漂う。今季はゆったりと構え、うまく間が取れ、ボールが長く見られるようになった。「打席の中で余裕が生まれ、苦手だったインコースが打てるようになった」。甘い球は一発で仕留める。今や内角も外角も、怖いものなしだ。

スタンドで観戦した駒大野球部OB会の中畑清会長は「こんなに強かったっけ?」とニンマリ。「チームの柱になるのは右の大砲。鵜飼はまだ未完の大器。これからが楽しみだね」と、球界の大先輩として熱いエールを送った。

ロッテ井口監督らが持つ4試合連続本塁打のリーグ記録に迫る。「粘り強く勝つことができました。次も勝ちにつなげたい」。鵜飼の勢いは止まらない。【保坂淑子】

<日大・赤星「制球磨かないと」>

日大 赤星が鵜飼にやられた。初回2死二塁、低めに制球したはずのカットボールをスタンドまで運ばれた。「本塁打にされるとは思っていなかった」。最速148キロの直球と変化球を丁寧に投げ分け、12ゴロアウトも、6回途中8安打5失点。「(鵜飼は)ドラフト指名された選手で、駒大の中心打者でもある。そこで打たれてしまい、今日の負けにつながった。制球をもっと磨いていかないと」と前を向いた。