明大が優勝の望みをつないだ。負けた方が優勝が消える立大との一戦で、エース竹田祐投手(4年=履正社)が5安打1失点完投勝ち。139球を投げ抜き、現役単独トップとなる通算11勝目を挙げた。優勝は、慶大、早大、明大の3校に絞られた。

竹田はマウンドを譲る気はなかった。「先週(早大1回戦)は自分が7回で降りて、チームが負けて、2連敗。責任を感じました。今日は絶対に勝たないといけなかった」。早大1回戦は降板後の終盤に逆転負け。同2回戦も敗れ、優勝争いから後退した責任を感じていた。この日は、始めから最後まで投げるつもりだった。

6回には3与四死球で2死満塁を招いたが、最後は立大・黒岩を見逃し三振。大きくガッツポーズした。終盤もボールの勢いが衰えなかった。1点リードの9回の攻撃では、2死一、二塁で、前の8番打者が打席に向かった。竹田は当然のように、ネクストバッターズサークルで備えた。田中武宏監督(60)は「本人が『行く』と。自分が見てても、また捕手の蓑尾も『直球の強さが落ちてません。大丈夫です』と言ってましたので」。結局、打席は回ってこなかったが、代打を送るつもりはなかった。竹田は8回先頭の打席では右足をつり、一時ベンチに下がった。「バットを振りすぎました」。三振に終わったが、投手でも、打席に立てば一打者。勝利への執念だった。

残り3試合全て勝てば、早慶戦の結果次第で優勝の可能性が残る。「負けられません。とにかく、1勝できて明日につながりました。明日も準備して望みをつないでいきたい」と前を向いた。田中監督は「エースが投げきってくれた。チームに、いい流れを付けてくれました」と、たたえた。