東京に本拠地を置くヤクルトの優勝に、小池百合子都知事(69)が日刊スポーツの単独インタビューに応じた。「東京ヤクルトスワローズ優勝おめでとうございます」と、傘を持ちながら祝福した。【聞き手・湯本勝大】

-東京五輪・パラリンピックが開催された年にヤクルトが優勝

1年延期となったとはいえ、2020大会が大変盛り上がりました。特に野球は金メダルということで、試合の内容もとてもハラハラするような試合が続きましたよね。そして今回リーグ優勝されたヤクルトの選手の方々が。最初にホームランを打ったのが、あれが大きな皮切りになったと思うんですよね。山田哲人選手。かつ大会MVPにも輝いたということから、大手柄ではないでしょうか。そして野球の視聴率も非常に良くて。都の水道局は、どの時間帯のどれだけ水道が使われたかというのが全部分かるんですね。それが試合が終わるとみんなトイレに行くので、それでガッと水の使用量が増えるんです。オリンピック期間中、ステイホーム率が高かったんですけど、特に、8月7日に行われたアメリカとの決勝戦は37%。あちこちの人流がガッと下がったんですね。ステイホームして、みんなオリンピックの野球を楽しんだというのが分かるんですね。ヤクルトスワローズの村上選手、山田選手がそれぞれオリンピックの野球の金メダルの立役者だったと言えます。今回のリーグ戦でも、ヤクルトスワローズの選手1人1人が大変活躍されたことがリーグ優勝につながったのではないかと思います。

-ヤクルトの思い出は

4年前、始球式にお招きいただいて、すごく練習したんです。ストライク目指してたんです。ビシッと直球で。全然ダメでしたね。やっぱり多くの観衆の方々がいらして、マウンドの高い部分が練習のときの感覚と違って。練習では良かった。期待は高まったんですけど、本番はまるでダメで(笑い)。でも気持ち良かったですね。神宮球場で投げるということ自体が。昨年は東京のチームとして、読売ジャイアンツ、ヤクルトスワローズの社長さんにそれぞれお越しいただいて。あれはコロナの激励ですね。読売の方からも、ヤクルトの方からもマスクを寄贈していただいたりして、やはり野球を生で楽しめる、1日でも早く生で楽しめるようにということで、特に医療従事者のみなさんに対しての心遣いをいただいたと思います。感謝しています。

-都政と野球で通じるものは

やはりチームプレーというところじゃないでしょうか。東京都は、オリパラ準備局というのがあって、オリンピックパラリンピックの準備と本番で、都のすべての局と、ボランティアの方の世話であったり、途中でシティキャストと呼ばれるボランティアの方々もこの後どうなっちゃうんだろうかと大変心配もされたと思うんですけど、そういった方々の仕切りもやってきて。国と連携しながら、またIOCと連携しながら進めてきました。それから交通局から水道局から、総務局であったり、コロナ対策ですね。都庁が一丸となって、特にコロナ対策はチームワークで行ったんです。ですから今、どこの局に所属しているかを問わず、みんなコロナ対策にあたったということ。チームプレーという点では野球と同じなのかもしれません。

-神宮球場を含め、外苑地区の再建計画がある。変わっていく外苑地区への思いは

まさに今回のオリンピックパラリンピックの開閉会式や陸上などが行われた新国立がありますね。木をふんだんに使った。これは国立です。あとこれは東京都のさまざまな街づくりというところに関連してくる。国立も陸上のレガシーになりましたし、そういう意味で、スポーツの中心であり、かつ緑にも恵まれていますので、より都民に親しまれる、また東京を象徴するような、そういう風になっていくのではないのかと。そのためにいろいろな計画を進めていきたいと思います。