今季限りで退任したソフトバンク工藤公康監督(58)が27日、ペイペイドームで会見を行い「幸せな7年間を過ごすことができた。本当に夢のようなすばらしい日々を過ごさせていただきました」と笑顔で語った。在任7年で3度のリーグ優勝、5度の日本一を勝ち取った。

常勝軍団を率い、野球漬けの日々を終えた工藤監督は「今は少し抜け殻のようになっている感じがあります」と率直な心境を明かした。7年目の今季は故障者が続出するなどして苦しみ、初めてBクラスとなる4位に沈んだ。「けが人が多かったのもありますけど、その中でもやりくりをするのが本来の監督の仕事。投手も野手も含めて、バックアップする選手をつくれなかったことが何よりも、ぼくの責任において大きかった」と振り返った。

球団からの続投要請を固辞し、退任に至った理由も初めて語った。「やはり敗戦の責は将が負うものだというぼく自身の思いもありました。何よりもチームが再スタートするという意味でも、そこは責任をもってするべきだと」と、チーム再建のためにも自身が退く決断をしたと説明した。

後任には藤本2軍監督が昇格することが決定的。新チームに向けて「選手には1年でも長く野球をやってほしい。常に勝ち続けられるように、1人1人が信念、たくさんの人の思いを背負って戦い続けてほしい」と常勝復活を願ってエールを送った。【山本大地】