関大が窮地で快勝し、明治神宮大会出場に望みをつないだ。前日10月31日の佛教大戦に敗れ、第2代表決定戦1回戦へ。

流れを引き寄せたのは今秋ドラフトでオリックス2位の野口智哉内野手(4年=鳴門渦潮)だ。2点リードの3回無死一、二塁。内角高め速球を強振し、右翼に3ランを放った。

リードを5点差に広げ、主導権を握った。「流れが悪かった。何が何でも勝つ試合。流れを引き戻せた」と振り返った。ドラフト後の初アーチを「1球で仕留められた」と言う。リーグ戦で優勝も、同大戦に連敗して今大会に入った。前日も完敗。この日も序盤はチグハグだったが、主砲の一撃で息を吹き返した。

今秋は力強さも際立つ。リーグ戦は自己最多の2本塁打。早瀬万豊監督(63)は「火をつけてくれた。4年間で一番いい質の打球を打った」と評した。魅力のフルスイングは進化する。指揮官は「ヘッドが少し残りながら。その方がヘッドが効く」と証言した。

7回は頭から飛び込む遊撃内野安打。プロ入りを決めても気迫のプレーで加点できない流れを変えようとした。「自分が出て何とかしたかった。気持ちを見せられたら」。ユニホームの泥がフォア・ザ・チームの証だ。神宮まであと2戦。力を尽くす。【酒井俊作】

◆野口智哉(のぐち・ともや)1999年(平11)9月20日、奈良・橿原市生まれ。奈良葛城ボーイズJFKから鳴門渦潮(徳島)に進み、甲子園出場。関大では4年の今秋、リーグ通算100安打を達成した。ドラフト2位でオリックスに指名された。181センチ、86キロ。右投げ左打ち。