神奈川大は中央学院大に敗れ、準優勝に終わった。元西武の岸川雄二監督(48)は、明治神宮大会出場を決めた今大会を振り返り、選手たちの勝負強さをたたえた。

負ければ4年生は引退となるトーナメント戦。何度も訪れる土壇場の場面で、チームは力を出した。初戦の準々決勝・創価大戦では、敗退まであと1死と追い込まれた場面から、DeNA6位指名の梶原昂希外野手(4年=大分雄城台)が逆転3点適時二塁打を放った。続く準決勝の上武大戦では、1点ビハインドで迎えた9回から同点に追い付き、さらに4番土井克也捕手(3年=唐津商)のサヨナラ本塁打で、全国への切符をつかんだ。

岸川監督は「泣きそうでしたね、何度か。(逆転は)どちらの試合も9回ですか。アマチュアの指導をさせてもらって18年ですけど、こんな試合が2試合も続くなんてないと思います」と、感慨深げに振り返った。

優勝をめざしたこの試合では、2番手で登板した1年生の石井将吾投手(相洋)が3分の2回を3失点と踏ん張りきれなかった。それでも岸川監督は「試合が終わって石井がわんわん泣いてたんです。でも、ここで経験できたから、あの涙はいずれ自分にかえってくるし、チームに必ずかえってくると思うんです。この敗戦は悔しいですけど、未来の投手の成長と思えばね」と、決して無駄ではない敗戦だったと総括した。

最後には「優勝させてあげたかったですけど、神宮で取り返そうってことですよね。もう1回、4年生に頑張ってもらおうかな」と、20日に開幕する明治神宮大会に向け、期待した。