次世代主力選手の育成を目的とした「第4回オータムフレッシュリーグin静岡」が19~21日、静岡市内の3球場で開催されます。今年は過去最多となる大学11校、高校6校の計17校が参加。静岡県出身の大学生も多数出場します。今回は、ぜひ注目したい有力選手2人を2回の連載で紹介。第1回は、中京大の漢人(かんど)友也投手(3年=常葉大菊川高出)です。

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静岡を沸かせた右腕が、凱旋(がいせん)登板を果たす。漢人の武器は、しなやかなフォームから繰り出すキレのあるストレートと、巧みな投球術。高校3年の2018年夏、県大会を制して甲子園に出場した。初戦で益田東(島根)を退け、2回戦の日南学園(宮崎)戦で完封。ベスト16入りに貢献した。あれから3年。「静岡の皆さんに大きくなった自分の体を見てほしい」と胸を張る。

愛知大学野球の名門・中京大に入学後、「高校時代は1度もやっていなかった」というウエートトレーニングで肉体を改造。体重が15キロほど増え、たくましくなった。比例するように球速も上昇。今夏は自己最速の147キロを計測した。8月のオープン戦では、西濃運輸を相手に5回1安打無失点。王子戦で5回をパーフェクトに抑えるなど、好投した。

その後に発症した右ひじの痛みから、秋は登板を回避。将来を見据えて治療に専念した。今は痛みが消え、今大会の登板に強い意欲を示す。「もうひじは大丈夫。オータムリーグでは、草薙球場のスピードガンで自分の最速記録を更新したいです」。

これまでは期待されながらも、1年秋に挙げた1勝止まり。リリーフでの登板が多かったとはいえ、本来の実力を発揮すれば、もっと数字を伸ばせるはずだ。最終学年となる来年は、投手陣の中心で先発登板、そして球速150キロに達した上でのプロ入りを目標に掲げる。思い出の地・静岡での快投を飛躍への起爆剤にする。

◆漢人友也(かんど・ともや)2000年(平12)5月3日、掛川市生まれ。小2で桜木野球少年団に入り、野球を始める。桜が丘中では3年春に全国大会ベスト8。常葉大菊川高では1年秋からエース。中京大では1年秋からリーグ戦で登板する。181センチ、76キロ。右投げ左打ち。家族は両親と兄、妹。