中日の高橋宏斗投手(19)が21日、ナゴヤ球場での秋季キャンプで快投した。シート打撃に初登場。登板した7投手の中で最速となる150キロの速球を軸に、打者7人から4三振を奪い、立浪和義新監督(52)へのアピールに成功した。

ドラフト1位ルーキーとしての潜在能力の高さを示した。ボールカウント2-2からの特別ルールながら、ストレートの威力は十分。京田には二塁への内野安打を許したが、2度対戦した1年上のドラフト1位石川昂は一邪飛、三ゴロに打ち取り、高松、石岡、滝野、石橋から三振を奪った。

「きょうは真っすぐとスプリットだけと決めていたけど、立浪監督にまずは真っすぐを見てもらいたかった。緊張感の中、いい感触で終われたと思います」と納得の表情。立浪監督は「きょう初めて見ましたが、楽しみな投手ですね」と好素材を実感。「今は焦らないことが大事。下半身をしっかり作り、ファームで結果を出して、(来季)途中からでも出てきてくれれば」とブレーキをかけることも忘れなかった。

ルーキーイヤーは2軍で14試合に登板。0勝5敗、防御率7・01に終わった。高校からドラフト1位で入団し、2年目で飛躍を遂げたヤクルト奥川からは強い刺激を受けている。前夜の日本シリーズ第1戦で先発、好投したゲームも合宿所で食い入るように見つめたという。「比べられるのは当たり前。今は足元にも及ばないことは分かっていますが、追い越せるようにやっていきたい」。奥川モデルのさらにその上を目指す。【安藤宏樹】

◆高橋宏斗(たかはし・ひろと)2002年(平14)8月9日生まれ、愛知県出身。中京大中京では3年夏の甲子園交流大会で智弁学園(奈良)に延長10回完投勝ち。20年ドラフト1位で中日入団。1年目の今季はウエスタン・リーグで14試合に登板し0勝5敗、防御率7・01。1軍戦登板はなかった。185センチ、85キロ。右投げ右打ち。

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