BIGBOSSから、勇気を授かる。「サニブラウンに勝った男」日本ハム五十幡亮汰外野手(22)が21日、秋季練習中の千葉・鎌ケ谷で、初の本盗成功へ意欲を示した。20日に新庄剛志監督(49)が同地を訪れ、自ら三塁ベースコーチに立って本盗のサインを出す可能性をにおわせていたばかり。球界屈指の俊足は「すごく楽しみ」と、その瞬間へ備える。

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中学時代に、陸上男子100メートルの元日本記録保持者サニブラウンを抑えて全国を制した五十幡が、初めての本盗成功へ意欲を見せた。「すごく楽しみ。相手の隙を突いているから、出来ること。可能ならチャレンジしたい。相手を観察することが、すごく大切。(本盗に挑戦することで)一、二塁からの盗塁も、幅が広がる」。20日に新庄監督が、三塁ベースコーチに立って本盗のサインを出す可能性を示唆。チーム断トツの韋駄天(いだてん)は、新たな試みに胸を躍らせた。

アマ時代も公式戦で試みたことはない。そもそも、本盗のサインがチームになかった。中大の紅白戦で1度成功したが、打席に立っていた打者は、びっくり仰天した。監督には「うちは、そこまでやらない。ケガをされたら困る」と諭されたという。

ルーキーイヤーの今季、本盗を「狙える」と思った瞬間はあったが、スタートは切れなかった。「一流の世界。もしアウトになったらと考えてしまう」。でも、球宴史上初の本盗を決めた新庄BIGBOSSが三塁ベースコーチを務めるなら、心強い。「(失敗しても)責任を取ってもらえるかな~って」と笑い「自分で『狙えるな』と思って『ヨシ! サインが出た! 』となれば、成功率も上がると思う」とイメージした。

沖縄・国頭で行っていた秋季キャンプでは、新庄監督の目の前で40メートル走をチームトップの5秒ジャスト。「『打てなくても勝てる野球をする』と監督は言っている。自分もその気持ちで、どんどんチャレンジしたい」。走塁改革を推し進める“新庄ハム”の主役になる。【中島宙恵】

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