ソフトバンクのドラフト1位、ノースアジア大明桜・風間球打(きゅうた)投手(18)が22日、都内のホテルで入団交渉を行い、契約金1億円プラス、出来高払い5000万円、年俸1100万円で仮契約を結んだ。背番号はソフトバンクの投手では初の1に決定。

11月22日、語呂合わせで「いい夫婦の日」といわれる日に、未来の女房役の甲斐拓也捕手(29)に熱いラブコールを送った。

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ソフトバンクとの仮契約を終えた風間は、鷹の正捕手・甲斐の話題に熱く答えた。「特に、ランナーが出たときに安心感がある。走られても刺してくれるようなイメージなので、自分の投球を引っ張ってくれるような選手」。早くもベタぼれ。先輩捕手の姿を頼もしそうに思い描いた。

甲斐は侍ジャパンでも正妻として、今年の東京五輪金メダルに貢献した。プロ入りしたチームに、日本代表捕手がいる巡り合わせに風間は「なかなか経験できないこと」と目を輝かせる。そして「ぜひ組んでみたいと思っています。甲斐選手に怒られないようなピッチングをしていきたい」と、熱く“プロポーズ”した。球団は体づくりを重視する方針だが、風間自身は「できれば早く活躍したい」との思いも秘めており、1年目からの「KKバッテリー」実現も夢ではない。

背番号は「1」に決まった。ホークスの投手が背負うのは実に62年ぶりで、ソフトバンクでは初になる。「自分でいいのかな? と思ったんですけど、『期待している』と言われたので、その期待に応えられるように頑張っていきたい。1を背負うからには一番活躍して、チームのために一番活躍できるように。1という番号に自覚を持ってやっていきたいと思います」。

同じ東北地区の高校に通ったエンゼルス大谷に憧れる。「大谷選手は人としてもすごいので、ああいう選手になれるように。そういった意味でも一番になれるように、頑張りたいと思います」。今季メジャーでMVPも獲得した姿も大きな励みになった。

「300勝」や「沢村賞」など、大きな目標も次々と口にした。鷹の未来を担うエース候補が、一番を目指して大きく羽ばたく。【山本大地】

◆風間球打(かざま・きゅうた)2003年(平15)10月11日生まれ、山梨県甲州市出身。奥野田小1年時に野球を始め、同3年時から投手に転向。塩山中時代は笛吹ボーイズでプレー。明桜では1年春からベンチ入りし、同春の地区大会決勝で初登板。今夏の秋田大会準々決勝の秋田戦で、最速157キロをマークした。初の甲子園は初戦の帯広農(北北海道)戦で2失点完投。2回戦で明徳義塾(高知)に敗れた。183センチ、84キロ。右投げ左打ち。

▼今季12球団で背番号1は9人いたが、投手は楽天松井と現役を引退した日本ハム斎藤だけ(来季は新庄監督が背負う)。ソフトバンクでも通算437本塁打の秋山ら野手がつけることが多く、投手の背番号1は2リーグ分立後の1950年(昭25)以降では過去2人。風間は南海時代の56~60年の金彦永徳(57年から任重に改名)以来、球団62年ぶりの「投手の背番号1」になる。なお、巨人は王貞治の1が永久欠番。阪神は19年オフの鳥谷敬の退団後、空き番になっている。