大学初先発の投球が、神宮を熱狂させた。東都大学代表の国学院大が九産大を下し、準決勝進出を決めた。

大会初の完全試合まで、あと4人だった。先発左腕の武内夏暉投手(2年=八幡南)は、身長185センチからコーナーに投げ下ろす投球で九産大打線を打ち取った。8回2死から初安打を許したが「(完全試合は)5回くらいから意識してましたが、打たれても表情に出さないように意識していました」と、冷静に対処した。

3安打の大学初完封を、無四球でまとめ上げた。セールスポイントである制球の良さは、今秋リーグ戦期間のフォーム改善によって生まれた。「夏のオープン戦の頃まで投げ急いでいて、四球が多かったんです。フォームをゆっくりしてみると、タイミングが合ってきました」と、少しの変化が偉業まであと1歩の結果に迫らせた。

▽鳥山泰孝監督(46)(試合を振り返り)「武内の好投に尽きます。初先発で期待以上の投球をしてくれました」

▽福永奨捕手(4年=横浜)(先制打を放ち、守っても武内を好リード)「自信を持って武内らしい投球をしてくれました。このメンバーでやれるのは(最高でも)あと2試合。悔いなくプレーした結果が良い方向につながると思うので、4年生中心にまた明日から頑張りたいです」