リリーフエース渾身(こんしん)の16球で、初の日本一に王手をかけた。

関東5連盟第1代表の中央学院大(千葉県大学野球)が国学院大を下し、初の決勝進出を決めた。

3番手の山崎凪が完璧な投球をみせた。6-2と4点リードの9回。2番手で4回途中から無安打投球を継続していた古田島成龍投手(4年=取手松陽)が、突如乱調。3者連続四球で無死満塁を招き降板した。1発が出れば同点という場面でマウンドに上がった山崎は、浅い右飛、見逃し三振、空振り三振でピシャリと締めた。整列に向かう際には古田島に何度も頭を下げられ、笑顔で何度も胸を小突き返した。

最大のピンチでの登板にも動じなかった。大会出場をかけた関東地区大学野球選手権でも抑えを務めた右腕は、ナインからも期待されてマウンドに送り出された。「今までそういう場面で使っていただいてたので、普段通りにマウンドに向かいました。ビビらずに、物おじしないで投げられました」と、平常心が結果を招いた。

同校は全日本大学野球選手権でも準優勝が最高成績。25日の決勝戦では、初の日本一をかけ、慶大と対戦する。菅原悦郎監督(60)は「『常に挑戦者』という言い方で選手には伝えています。並外れた能力を持つ選手はいないので、束になってチーム力で」と力強く話した。