来季はトイレの神様がほほ笑むかも! 阪神が24日、甲子園と鳴尾浜に分かれて行った2週間の秋季練習を打ち上げた。練習後には矢野燿大監督(52)、コーチ、選手スタッフが集合し、約2時間に及ぶ甲子園大清掃を敢行。指揮官もクラブハウスのトイレの便器を磨き上げた。清めの儀式で運気もアップ。屈辱のシーズンをぬぐい去って、17年ぶりリーグVを目指す。

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近本が、大山が、バットをホウキに持ち替えた。“半ドン”で最終日の練習を終えると、それぞれが掃除を担当する持ち場に散った。球場のブルペンに、ロッカー室、室内練習場、球場とクラブハウスをつなぐ渡り廊下、そしてトイレ…。昨年に引き続き、2年連続となる甲子園の大掃除はみっちり約2時間。秋季練習不参加の自主トレ組や鳴尾浜で練習を行う投手数人も集合し、儀式に加わった。

「普段、お世話になっているこの球場で、掃除をすることで『1年間、ありがとう』ということと、また、来季に向けて気持ちを整理するところもある。去年選手たちも、やって良かったなという感じが多かった。それこそ、子どもたちの手本になれば。年に1回の掃除のことやけど、なったらいいなと」

自然と笑顔になったのは、タクトをトイレ用ブラシに持ち替えた矢野監督だ。小野寺、藤田と並んで熱心にクラブハウスのトイレを清掃。男性用小便器をゴシゴシ、ゴシゴシ…。「トイレの神様」も大喜びするほど、ピカピカに磨き上げた。今季はあと1歩で優勝を逃したが、清めの儀式で運気もアップといきたい。

今オフは日程がずれ込む球界全体のスケジュールの都合上、恒例の高知・安芸キャンプは中止。甲子園(野手)と鳴尾浜(投手)に分かれて秋季練習を行った。4年連続12球団ワースト86失策を改善すべく、守備を重点強化。「4スタンス理論」の先駆者の藤井康1、2軍巡回打撃コーチも加わり、打力アップに努めた。「藤井さんにこのオフ(選手が)どういう風に臨むかというところを作ってもらえた。2月は『俺はこういう形で打っていくんだ』と、見えた形でキャンプインしてくれるかな」。

勝負の4年目へ、できる限りを尽くし、清めの儀式で心を新たにした。「トイレの神様」がほほ笑む22年にしたい。【桝井聡】

◆トイレの神様 歌手植村花菜(38)が歌った2010年(平22)のヒット曲「トイレの神様」で有名になった。祖母が話す、トイレを毎日ピカピカに磨けば、トイレの女神様のような美人になれるという話を信じた自身の体験をもとにした曲。また、風水などでもトイレ掃除が運気アップにつながるとされる。