文武両道でエースの階段を駆け上がる。日本ハムの新入団選手が4日、札幌市内の球団施設を見学し、本契約を結んだ。都市対抗野球に出場中のドラフト9位、NTT東日本・上川畑大悟内野手(24)をのぞく12選手が参加。194センチの長身から投げ下ろす角度あるボールが武器のドラフト1位、天理・達孝太投手(17)は、1年目を見据え、独自の研究を重ねていることを明かした。

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研究熱心で知られる達は、施設見学を前に、現在の“研究テーマ”を語り始めた。「今は解剖学を勉強しています。筋肉を意識して伸ばしたりストレッチしたりすることで、より高い効果が得られると思った」。解剖学の専門書で、1冊1万円以上もする「プロメテウスシリーズ」を読んで勉強していると言う。

きっかけは、中学時代からお世話になっているトレーナーだった。「筋肉の使い方を教えてもらったときに理解できなかった。そのトレーナーの人に意見を言えるくらいになりたいと思って、今春くらいから学び始めた」と意識の高さを見せた。「股関節が元々は固かった。意識してやったおかげで軟らかくなったと思う」と効果を実感している。

新庄BIGBOSSも、股関節の柔らかさが重要だと話しており、達は「柔軟性に関しては他の選手よりあると思います」と自信をのぞかせた。「まだ細かくは勉強し切れていないので、鎌ケ谷の寮にも持って行って勉強しようと思う」と、これまで以上に研究を重ねるつもりだ。

3日に初めて北海道に足を踏み入れ「昨日は雨が降っていて、景色を見ることができなかったが、今日はきれいな景色が見られた。地元の大阪とは違った景色が見られてワクワクしています」と、北の大地でプレーする時を待ちわびている。「不安は全くなくて、楽しみしかない」。恵まれた体格と、高校生らしからぬ研究の深さで、目標の“球界のエース”を目指す。【小林憲治】

○…日本ハム・ドラフト7位の大阪桐蔭・松浦慶斗投手(18)は髪を短く切り、両サイドを刈った爽やかなヘアスタイルで本契約に臨んだ。「長くなっていたので昨日切りました。こういう大事な時なので気合の表れです」と力強くうなずいた。小学3年から中学卒業までを北海道で過ごしており「帰ってきたなと。ここで絶対に活躍してやるという気持ちになりました」と闘志をたぎらせた。