5倍以上の大幅アップに、宮城くんも納得のサインだった。オリックス宮城大弥投手(20)が7日、大阪・舞洲の球団施設で契約交渉に臨み、年俸870万円から4130万円増の5000万円で更改した。

今季13勝をマークした堂々の新人王候補は事前にファッション通販サイト「ZOZOTOWN」で2000円ほどで購入した、だて眼鏡をかけて登場。「本当にいい提示された。見合った投球ができるようにしたい」と笑顔を見せた。

眼鏡をかけた理由は「山本由伸さんのまねをしました」とエース右腕の昨年の契約更改をほうふつさせる? スタイルで報道陣を笑わせた。今季は山本と最終盤まで最高勝率のタイトルを競ったが、宮城は惜しくも敗れた。「来年は(投手)タイトルを獲得したい」と意気込み、「防御率です」と最優秀防御率を狙う。今季の山本が1・39の防御率で、宮城は2・51。「1以上離れてしまった。だいぶ時間がかかると思うけど、抜いてジョークを言いたい」と先輩右腕を脅かす存在を目指す。

昇給の使い道を問われると「まだ免許を持っていないけど、あえて車から買いたい。プロ野球選手なので外車を…」と胸を張る。年末には地元の沖縄に帰省し、友人たちと再会する予定。「(20歳で)大学生もいっぱいいる。話を聞きながら、僕もある程度自慢していきたい」とニヤリだ。

開幕投手を目指すかと問われると「いや…そこは全然…」とエース山本に譲る。「目の前に由伸さんというお手本がいる。そんな投手になれるように」。大器の片りんを見せつけた左腕に、色眼鏡は必要ない。【真柴健】

▼宮城が4130万円増の5000万円で契約更改。高卒3年目で年俸5000万円は歴代9位で、球団では96年平井の6000万円に次いで2位となった。昇給率475%は球界全体で14位だが、高卒3年目以内の選手では前記平井の809%(660→6000)に次ぐ2位のアップ率。