DeNAから自由契約となった平良拳太郎投手(26)が9日、横浜市内で契約交渉に臨み、育成選手として契約を結んだ。年俸は3300万円から600万円減の2700万円となった。

平良は6月に右肘の内側側副靱帯(じんたい)の再建手術(通称トミー・ジョン手術)を受けており、支配下から育成への移行は「リハビリ期間が長い手術をさせていただいたので、仕方ないかなと。代表から『育成にはなるけど1日も早く治して』と言われた。大した実績もない僕に『主力として考えている』と言ってもらえたので感謝です」と話した。

今季初登板で突然、肘に痛みが走った。3月28日、開幕3戦目の巨人戦(東京ドーム)の5回2死。ウィーラーを中飛に打ち取ったが「ぶちっという感じがしました。自分の中で」。これまでにない感触だった。そこまで最速144キロで打者15人をパーフェクト投球。続く6回も続投したが、先頭の大城に初球の127キロを二塁打され、降板した。

翌日の3月29日に出場選手登録を抹消された。だが「抹消になって治療を受けたりして、よくなってきたかなというのがあったので。100ではないですけど、投げられるかなと思えるぐらいだった。投げたいという気持ちもあった」。4月8日に再登録され、中10日で同日の中日戦(バンテリンドーム)に先発した。最速140キロで5回5安打1失点と好投したが「最後の試合は肘が痛くて。5回で降板してしまって、そこでダメだなと思った。最後の試合が一番、肘の状態がひどかったので決断した」。再び登録抹消された。

手術に踏み切るまで約2カ月悩んだ。リハビリでの復帰も模索した。「あそこ(中日戦)で投げてなかったら、手術をもっと伸ばしたかもしれない。あそこで投げて、やっぱり100%で投げられないなら(復帰は)難しいかなと思った」という。同じ手術を経験した田中健二朗、東克樹から助言を聞いた。6月7日、横浜市内の病院で手術を受けた。

手術から6カ月が経過し、現在は約40メートルのキャッチボールを行えるまでに回復した。筋力トレーニングで、体重を約5キロ増やして83キロとなり「1年前に買ったスーツの太ももがパツパツです」と笑った。来年の春季キャンプでブルペン入りを目指す。「ブルペンに入って投げられれば順調すぎるぐらいかなと。そこを目指してリハビリしたい」と、しっかり前を向いた。【斎藤直樹】(金額は推定)