逆方向にたたき込んだ。慶大の栗林泰三内野手（2年＝桐蔭学園）が、今年最後の実戦で2安打1本塁打の活躍をみせた。

「目線」へのこだわりが成果を生んだ。打席内での「ブン」というスイング音が、ベンチ奥の観客席まで届くパワフルさを持つ右打者。それゆえに打席内では右肩が下がるクセがあり、ボールを捉える瞬間に目線が斜めになってしまうことが多かった。

練習で平行にボールを見ることを心掛けたところ、この試合の1発につながったという。「最近は芯に当てれば飛ぶということが分かったので、確率をとにかく上げるように意識しています」と、落ち着いた口調で話した。

そんな主砲候補の目標は、「チームにフィットする選手」だ。試合では持ち味の長打を狙うのではなく、状況に応じた打撃が出来る選手になりたいという。「大学野球は『進塁打』や『三振しないこと』の積み重ねが勝利につながると、リーグ戦を外から見ていて感じました。自分本位だと試合に出られないと気付いたので、意識を変えています」と丁寧に話した。【阿部泰斉】