8年ぶりBクラスからの巻き返しを図るソフトバンクが13日、投打の「ダブル補強」に成功した。中日から国内フリーエージェント(FA)権を行使していた又吉克樹投手(31)の獲得を三笠杉彦取締役GM(47)が明言。推定で4年7億円規模とみられる好条件で口説き落とした。藤本新監督体制の下、戦力を整えて2年ぶりのV奪回を目指す。

恋人又吉からの吉報に、三笠GMの声が弾んだ。「本人から『ホークスでお世話になります』ということで、連絡をいただきました。我々としてはぜひ来てもらいたいと考えておりましたので、来てくれるという決断をしてくれて大変うれしい」。中日から国内権FA宣言した右腕取りに乗り出して交渉を重ね、この日又吉本人から入団の連絡があったことを明かした。

何よりリリーフ陣再建の期待は大きい。三笠GMは「貴重な中継ぎとして、経験も実績もありますので、そういう点を安心して任せられる投手」と評価。今季は森やモイネロの離脱期間も長く、勝利の方程式を固め切れなかった点も失速の要因になった。それだけに、中日8年間で400試合に登板し、今季も66試合で防御率1・28と抜群の安定感を誇るタフネス右腕がほしかった。藤本監督は以前に「又吉が入ることで8、9回は良い競争になる」と話しており、状況次第で守護神候補にも挙がる。

又吉の加入で新たな先発候補も発掘できる。三笠GMは「中継ぎで実績のある選手がいてくれると、チーム状況で今は中継ぎをやっているけど、先発をする可能性がある有望な若手投手を先発に配置する計算もできてくる。そういうところも相乗効果としてある」と明かした。藤本監督は就任後から「先発の候補を増やしたい」と若手の田中や杉山に先発挑戦をさせており、狙いも合致する。救援陣と先発陣に厚みを出し、強固な「投手王国」を築いてV奪回を目指す。【山本大地】