ヤクルト奥川恭伸投手(20)は目線を上げ、真っすぐと開幕投手に名乗りを上げた。

「シーズンが始まって最初にマウンドに上がる。先発投手みんな目指している。その舞台に立てるように頑張りたい」。今季は主に中10日の間隔を空けて18試合に登板。プロ初勝利を含むチームトップタイの9勝を挙げた。リーグ優勝にクライマックスシリーズMVP、日本一と貴重な経験をした1年となった。それでも満足はしない。

「中6日で戦える体力がなかった。間隔を詰めて、量の部分でも貢献できるようにしていきたい」と表情を引き締める。開幕から1年間勝利に導き、投手陣の柱になるために-。目標に規定投球回到達を掲げた。高卒2年目世代は、ロッテ佐々木朗やオリックス宮城ら、好選手が名を連ねる。将来的には侍ジャパンの主力として、かかる期待も大きい。奥川は「今は全然考えていないです」とキッパリ。あくまでも目の前を見つめ、1歩1歩着実に進んでいく。

オフは自身と向き合い、黙々と自主トレに励む予定。思い描く成長曲線をなぞれるように、来季への準備を進める。「言葉で言い表すのは難しいんですけど、自分の中でイメージがあるので、そこに近づけるように頑張ります。もっとこうしたいと思うことはたくさんある」と頂点はまだまだ先にある。「エースと呼ばれる存在になりたい」とプロ初勝利時には宣言。チームのエース、球界のエースへ向けて、たゆまぬ努力を続けていく。【湯本勝大】