ソフトバンク森唯斗投手(29)が「9回の男」死守を誓った。23日、ペイペイドーム内で契約交渉に臨み、現状維持の年俸4億6000万円プラス出来高で更改。

来季は中日から国内FAで新加入した又吉、さらには岩崎が「9回の男」として候補に挙がっており「やってやるぞという気持ちしかないですし、もう1度あそこ(9回)のポジションを自分の手でつかみにいく」と、力強く宣言した。

4年契約の2年目だった今季は、5月末に左肘を手術。ルーキーイヤーから続いていた7年連続50試合以上登板がストップした。30試合で1勝3敗、15セーブ、防御率4・03に終わり「このままでは終われない。もう1回体を作り直してやっていきたい」と意気込む。

来年1月の自主トレは、後輩の奥村、津森、甲斐野らと宮崎で行う予定で「手を抜いている人がいたら福岡に帰します。他の人にもプレッシャーをかけて、自分にもプレッシャーをかける」。心を鬼にし、弟子も自分自身も極限まで追い込む。

「兄貴分」と慕っていたサファテが、今季限りで現役を引退した。18年途中に守護神を継承した森は「彼の分もやってやろうと思っています」。引退発表ではサファテから「250セーブを目指して頑張ってください!」と激励を受けた。大台まで129セーブを残すが「1つ1つやっていきたいし、いけるところまでいきたい」と、受け止めた。「King Of Closer」の夢を託された鉄腕が、来季も9回のマウンドで仁王立ちする。(金額は推定)【只松憲】

○…森が来季から登板数に応じた一定金額を、地元の徳島と長崎の漁業関係者に寄付することを明かした。実家が漁業を営んでいることもあり「前からやりたいと思っていた。少しでも貢献できるように」と初の社会貢献活動に踏み切った。金額の詳細などは未定で「初めてでどれくらいっていうイメージがついていない。たくさん投げます」とフル回転を誓った。

◆ソフトバンクの守護神候補 大本命は森だが、藤本監督は以前に「又吉が入ることで8、9回はいい競争になる」と話しており、状況次第ではFAで新加入した右腕も守護神候補に挙がる。さらに20日の契約更改では、岩崎が「一番後ろをやるつもりでいきたい」と立候補。左腕モイネロも含め、2月1日の春季キャンプ初日からアピール合戦になりそうだ。