最速151キロ右腕の大阪ガス・河野佳投手(20=広陵)は、昨年の社会人野球表彰で「3冠」に輝いた目玉候補だ。

大阪ガス・河野が真価を発揮したのは、昨年の都市対抗だった。1回戦の伏木海陸運送戦で無四球完封勝利。9回をわずか4安打に抑える圧巻の投球だった。

「調子はあんまり良くなくて高めに浮いていたけれど、要所で失投がなく完封できたと思う」

丁寧なマウンドさばきで重量感のある速球を投げ込む。フォークも打者の左右で異なる変化を示す。高卒2年目の昨季は、日本選手権で4試合に登板して3勝を挙げ優勝に貢献。21年度の社会人野球表彰では、最多勝利(6勝)と最優秀防御率(0・21)、ベストナインの“3冠”に輝いた。「細かく(コースを)狙うのではなく、高さを意識せず、ラインだけを意識することで無駄な考えがなくなって、コントロールが良くなった」と、制球の気構えが変わり飛躍した。

広陵(広島)時代から逸材として注目された。2年だった18年夏に甲子園デビューし、3年時の19年センバツ八戸学院光星戦で150キロを計測して完封勝ち。一躍、脚光を浴びた。前田孝介監督(51)は「ひと言で言うと、よく練習する」と評する。河野は「まだ1年ある。そこ(プロ)はまだ考えず1個1個、目標をつぶして、最後にそこに行けたらいい」。冷静に、着実に力をつけ、夢に挑む。