社会人野球の大阪ガスが7日、西宮市内で練習を公開し、今秋ドラフト有力候補で最速151キロ右腕の河野佳投手(20=広陵)が都市対抗&日本選手権のダブル優勝を誓った。プロに注目される立場だが、チームへの思いが強い。「日本選手権3連覇、2大大会優勝を目標にやっている。優勝に導きたい」と言い切った。

発奮材料は同学年の好投手だ。昨秋に見たテレビで胸がうずいた。クライマックスシリーズ、日本シリーズでヤクルト奥川が躍動。「制球がいい。球数も少ない。勝てる投手ですね」。かつての星稜のエースだけではない。オリックス宮城は昨季13勝で、ロッテ佐々木朗も剛速球を披露した。

「早く自分もああいう場面で投げて、ああいう活躍をしたい」と意気込んだ。

広陵高3年時の19年センバツで150キロを計測してプロに注目されたが、社会人へ。「絶対に活躍できる自信もなかった。社会人でドラ1を目指す方がいいんじゃないか」。3年前、同校の中井哲之監督(59)と交わした約束が、原動力になる。

この日はキャッチボール後、自ら両翼のポール間走を繰り返した。「平均球速を上げたい。145キロ以上は出せれば」と言った。前田孝介監督(51)は「持っている資質が高い。鍛えながら強くなっていった。まだまだ伸びしろがある」と評する。寒空の下でロッテ、オリックスのスカウトが視察し、秋は注目株になりそうだ。だが、河野は冷静に言う。「都市対抗で優勝したい。負けない投手、みんなに頼られる投手になりたい」。勝負の1年は頂点だけを見る。【酒井俊作】