阪神ドラフト4位前川右京(18=智弁学園)が1軍キャンプメンバー入りに向けおかわり練習中だ。新人合同自主トレ後、夕食を挟んで2時間半の打ち込みを続けている。まだ全体練習での打撃がなく、高校通算37発のスラッガーはうずうず。食事を1日4食とし、夜食にカレーライスとパワーチャージも欠かさない。新人合同自主トレは11日で第1クールを終えた。

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前川は1軍キャンプ入りを狙っているかと聞かれ「はい、そうです」ときっぱり言い、メラメラと闘志を燃やした。第1クールは全体メニューで打撃が組み込まれなかった。「全体練習の中でバッティング練習をやる機会がないので早くやりたい」。持ち味のバッティングを解禁したくて待ち切れない様子だった。

鳴尾浜球場で始まった新人合同自主トレ。前川は1日のメニューが終わると、室内練習場でマシン打撃、置きティーで1時間30分打ち込む。夕食後も納得がいかなければ1時間ほど追加する。課題である下半身の使い方を意識し、打球に角度をつけるスイングを徹底している。「自分の魅力はスイングスピードだと思うので、まずしっかり振って捉えていくところを求めていきたい」。

食事も1日4食にし、プロの世界でも負けない体づくりに励む。選手寮の食堂で提供されるおかずでお気に入りはなぜか「バナナっす」と笑って答え、また「とてもおいしいので、ご飯が進みます」と夜食にカレーライスをかき込んでパワーチャージも欠かさない。

この日の練習は雨のため、甲子園室内練習場で行われ、ストレッチポールを用いた体幹トレーニングでは足を上げられず苦戦。なんとかメニューをこなし、第1クールを終えた。前川が競う外野は井上広大外野手(20)や佐藤輝明内野手(22)ら若手大砲がひしめく激戦区。高校通算37本塁打のスラッガーは「自分のアピールポイントはバッティングなので、そこでしっかりアピールしていかないとと思っています。バッティング練習を(全体練習で)やる日に向けて個人でバットを振っていきたい」。持ち味を披露するまで一生懸命バットを振り込む。【三宅ひとみ】