早実野球部や中大野球部の監督を務め、20年8月7日に肺がんのため94歳で死去した宮井勝成氏のしのぶ会が15日、都内のホテルで行われた。

野球関係者や教え子など、約300人が訪れた。巨人からは、発起人に名を連ねた巨人阿部慎之助作戦兼ディフェンスチーフコーチ(42)や、中大OBの亀井善行外野守備兼走塁コーチ(39)、鍵谷陽平投手(31)らが参列した。

阿部作戦兼ディフェンスチーフコーチは「大学1年で、(東都)2部だったけど(大学)ジャパンの夏の合宿にいきなり入らせてもらった。そういうのがあったからこそ、今があると思う」と振り返った。

宮井氏からの言葉で「覚えているのは『ヒットはな、3人でも1点取れないんだよ。4人も必要なんだよ。お前があの柵を越えちゃえば1人で1点だよ』という言葉。そこから、俺の野球観を変えてくれた」と思い出を明かした。

現役引退後も「ちゃんと周りを見て、しっかりやれ」と言われていたという。1軍のコーチとして迎える今季に向けて「しっかりやれというのは言われたから、ちゃんとそういうのは全うしてやってみようかなと思います。難しいこともあるんだろうけど、みんなと相談していいシーズンにしたい」と話した。

鍵谷とともに献花をおこなった亀井外野守備兼走塁コーチは「プロに入ってからもずっと気にかけてくれた。しっかり頑張れというのは言われて続けてました」と明かした。

大学時代、総監督だった宮井氏は打撃ケージの後ろの椅子に座って練習を見ていたが、細かい指導は受けなかったという。自身も指導者となり「僕が思うのは、指導していく上で細かすぎるのはダメだなと。宮井さんが僕に対してそうだったように。選手もパニックになったりすると思うので。分かりやすい一言、重い一言をバンとぶつければ選手も考えるだろうし、そういうのも必要なことかなと思う」と話した。