ヤクルト木沢尚文投手が、制球力向上へ独特な練習に取り組んだ。ブルペン投球の途中でプレートのすぐ右側と、踏み出した先の左側に障害物を設置。両サイドの“壁”を意識しながら投げ込んだ。20年ドラフト1位右腕は、伊藤投手コーチ発案の練習の意図を「投げる際に一塁側に体が流れてしまう悪い癖があるので、それを矯正するため」と説明。「体重移動する前に上体に力が入ってしまうと僕の場合、左肩から開いていってしまうので、そのタイミングをできるだけ遅くできるように、という狙いだと思います」と話した。左右に障害物があることで、打者に対して半身の態勢を保つことをより強く意識。結果、体が開かずに制球の安定につながる。

昨季の投球分析によると、ボール球になるケースは、右打者の内角に抜けるか、逆に引っかけて外角に外れることが多かったという。その左右の「散らばり」をできるだけ収めるのが狙い。伊藤コーチからも「高低のブレはある程度許容できるから、左右のブレをなくそう」と言われているという。持ち味の力強い投球に、独自練習で制球力を加え、1軍定着を目指す。【鈴木正章】