矢野阪神の22年初対外試合は元気いっぱいのBIGBOSS軍団に圧倒された。矢野燿大監督(53)は「いいムードで日本ハムさんは戦っていました。いい雰囲気でやっている」と感心。新しい青いユニホームで乗り込んできた相手は、守備の時もベンチメンバーも常に大きな声で盛り上がっていた。2-6というスコア以上の完敗感があった。

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現時点でのベストオーダーの阪神に対し、日本ハムは昨季レギュラーは野村だけの若い布陣。しかもその野村が本職の三塁ではなく左翼を守るなど、スタメンの半数の5人は本来の守備位置ではなかった。そんな打線に先発及ぶ川ら若手投手陣が11安打で6失点。打線も佐藤輝と大山の挙げた2点だけで、若手が躍動した日本ハムとは対照的だった。指揮官は「投手がもうちょっと頑張ってくれたら」と辛口評価だった。

新庄監督と初めての阪神OB指揮官対決。「日本ハムのプレーの中から学ぶこともあった。守備の意識などもしっかりしている。そういうところはマネしたい」と明かした。特に感じたのは2死から、外野手が飛球を捕ってチェンジになった場面。そこでイニングは終わるが、日本ハムの外野陣は捕球後、そのままプレーをやめず、きっちり内野へ返球していた。「捕って終わりじゃなく、内野まで返球している。普段から習慣づけておけば、走者を進めない守備、送球の安定につながる」。守備を大事にする新庄イズムに学んだ。

この日は本来矢野監督がやりたい野球を新庄監督にやられた。コロナ禍もあり、この日は直接新庄監督と話をする場面はなかったが、パフォーマンスだけではない新庄野球を肌で感じた。3日後の11日には、ビジターの名護で再戦する。今度は「俺たちの野球」を見せつけたい。【石橋隆雄】