快晴の宮崎に、見たことのない光景が広がっていた。育成の巨人堀田賢慎投手(20)が11日、今季初の紅白戦に紅組で先発。1回無安打無失点と好投した。3年目にして、自身初の有観客試合。マウンド上で3876人の視線を浴びながら、この日最速148キロの直球で押した。

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入団直後の20年4月に右肘のトミー・ジョン手術を受け、長期のリハビリを強いられた19年ドラ1右腕は「観客がいる中では初めてだった。良い感じで投げられた」と上々のスタートをかみしめた。

観客がいないジャイアンツ球場で約1年半、孤独に闘い続けてきた。地道なトレーニングと治療で、気付けば日が暮れた。「時間は思ったよりないです。ご飯食べて、洗濯して、お風呂とか入ってたら、もういい時間になっちゃう。毎日クタクタです」。

地道な努力を続けても、光は見えなかった。肘の痛みが抜けたかと思うと、また痛む。良い時と悪い時のループに、終わる日が想像できなかった。「先が見えなくて、しんどかった。でも『投げられるように』としか考えてなかった」。だが、希望は一時たりとも捨てなかった。

3年目にして、直接ファンに投球を披露できた。見詰める首脳陣にも堂々の投球を見せた。先頭の松原は直球で押して追い込み、最後はチェンジアップで見逃し三振と圧倒した。チームの将来を担う存在と期待されるが、現在は育成選手という立場。支配下再登録への階段をまた1段上がったが「しっかり支配下になって、その後を見据えてやっていきたい」と、憧れの景色に視線をやった。満員の東京ドームで、大歓声を浴びる瞬間を待ちわびる。堀田伝説は、まだ序章にすぎない。【小早川宗一郎】